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 方丈(桃山期、国宝)は大方丈と小方丈からなる。大方丈は天正度の内裏清涼殿を移建したものとみとめられ、平面は6室に分かれ、中央南の御昼の間は清涼殿時代に昼の御座であった御帳の間の別称を残しており、広縁の欄間彫刻、天井、板扉の形式とともに近世宮室建築の姿を伝える遺構である。内部の障壁画(重要文化財)は124面を数え、桃山前期の狩野派の手になるとされる。
 小方丈は伏見城の遺構という。内部に探幽筆と伝えられる 《群虎図》(重要文化財)40枚があり、「虎の間」の名がある。
 大方丈前面の庭園は俗に「虎の子渡しの庭」と呼ばれ、小堀遠州の作と伝える。

 寺宝として南禅寺創建の経緯を記した〈亀山天皇宸翰禅林禅寺御起願文案〉(1299、国宝)、開山の頂相《大明国師像》(重要文化財)などがある。
 塔頭のうち南禅院は亀山天皇の宸影をまつる檀那塔であるため、別格に扱われる。以心崇伝が住した金地院には重要文化財建築や寺宝が多い。天授庵には《細川幽斎像・同夫人像》など、聴松院には《細川蓮丸像》、法皇寺には《約翁徳倹像》の重要文化財絵画がある。