|
釈尊の悟りとその法門は、以後代々の祖師方が並々ならぬ苦修によって、一つの器の水をそっくりそのまま次の器に移すように伝えられてきました。
第28祖(釈尊より正法を付嘱された摩訶迦葉尊者を第1祖として)菩提達磨大師に到って、インドから中国へ伝えられました。
当時、中国の仏教は儀礼が中心で、形式に流れやすく、釈尊の正覚(悟り)に直参するという仏教の真髄が忘れられていました。
この状況の中で、「不立文字(ふりゅうもんじ)・教外別伝(きょうげべつでん)」を標榜して、中国における禅宗の基礎を築いたのが達磨大師です。
|
|
|
釈尊の正覚は文字言句では伝えきれない、直接体験を通して、心から心へと伝える以外に方法は無いというのです。
水を冷たいといっても、言葉ではどのくらい冷たいのか判りません。
それを飲んでみて初めて真の冷たさが判るのと同じです。
静かに坐り、自己の本心本性をみつめ、その尊く清浄なることに気づいたとき、自分をとりまく全ての人や物も尊く有難い存在として心に響いてくるのです。
これこそ他人(ひと)には言葉で説明することのできない体験と言えましょう。
|
|